2013年6月18日火曜日

TASCAM DR-40 ヘッドフォン端子の修理

先日、TASCAM社のリニアPCMレコーダー DR-40のヘッドフォン端子に応力がかかった為、ヘッドフォンの左側端子から信号が出力されなくなった。
Skypeのマイクとして本機のヘッドフォン出力とマザボのオンボードのライン入力に接続して使用していることから、早急な修理が求められていた。
開腹してみると、想像通り、左側音声出力の表面実装パッドがヘッドフォンプラグに引っ張られて基板から剥離して、回路が断線していた。プリント基板の回路を追っかけて、近傍のチップフィルムコンにスズメッキ線でバイパスしたら直った。
以下、分解画像。
fig.1 裏蓋を開けたところ

fig.2 恐らくADCとDACの基板
右上にヘッドフォンジャックがある

fig.3 操作系とXLR入力&ファンタムは同一基板上にある

fig.4 DSP・水晶クロック等が乗ったメイン基板

fig.5 なぜかFIDELIXの文字。検索したら某社とは関係無いみたい。
※韓国のファブレスメモリメーカー

fig.6 この基板の裏はタクトスイッチや液晶ディスプレイのはず

2013年6月16日日曜日

HPA-12 の組み立て

ここらで一つハイエンドクラスのヘッドフォンアンプが欲しくなったので、現在知りうる限りの高音質部品で組み立ててみた。

new_western_elec様より頒布頂いたヘッドフォンアンプ基板HPA-12を純Aフルディスクリート構成で組み上げた。これを2セット使ってBTLとした。
トランジスタは差動入力を含め、必要な箇所は全てhFEを測定選別している。最終段Trは、2SC5171と2SA1930。また、電源デカップリングコンデンサにはニッケミKMGを使用。位相補正コンデンサには銅箔スチコンとECHUを使用。リレーはオムロンの金接点G6A。入力カップリングコンデンサにはルビコンのPMLCAP(10μF)を使用した。

電源部は、左右独立トロイダルトランスに、お気楽キット資料館より頒布頂いたPowerRegulator Iを使用。電源デカップリングコンには、PMLCAPを大量投入。圧電効果のある積層セラミックコンデンサを排除してみた。さらに整流器にはCREEのSiC-SBDを使用。

バラック状態で試聴してみたところ、構想段階の予想を上回る高解像度サウンド。ダイナミックレンジが広く立体感があるのに、繊細な音が鳴る。過去最高の出来。
一方で純A級アンプであるため、発熱は凄い。まるで真空管ヘッドフォンアンプであるかのような熱気。夏場使用するのは少し気が引ける。
しばらくは、これがリファレンスになりそう。このアンプのお陰で、ATH-W5000の良さが如実に表れていると思う。早くケースに入れてあげたい。→ケースに入れた(2013/10/17)電源部改良(2014/10/04)

2013年6月10日月曜日

[メモ][電源回路]電解コンデンサの制振

memo:

http://www20.tok2.com/home/easyaudiokit/Capacitor/cap.html
お気楽オーディオキット資料館別館の上記記事に触発されてコンデンサの振動対策を施してみた。


高精度パワーアンプ(お気楽キット)の電源回路は、多数の小型電解コンンデンサがパラレルにプリント基板上にハンダ付けされている。この状態だと振動が殆ど減衰しない。
大型電解コンデンサのメリットは、容量当たりのコストが安価なことと、ネジと金属金具でシャーシに直接固定出来る点である。一方で小型電解コンデンサのメリットは、電気的特性の良さと入手性の良さである。
大型電解コンに交換するよりも、現状の小型電解コンデンサに振動対策をした方が良いと判断した。そこで、手持ちの信越シリコーンでコンデンサの頭頂部付近と、基板とコンデンサの接点付近を固定することにした。一箇所当り指先程度のシリコーンの量で、ある程度の制振ができた。

振動対策前後の音を記憶(?)を頼りに比較してみる。
制振後は、静けさが増して、音場が広がったような印象を受けた。もっと強力な制振方法があれば、更なる効果が望めそう。
高音質化における電解コンデンサの制振の重要性を再確認できた。