タムラ TK-10を用いた2CHマイクロフォン用マッチングトランス(150Ω:600Ω)
Fig.1 出力端子側
Fig.2 入力端子側
Fig.3 内部配線
今回の製作物は,タカチのアルミダイキャストケースであるTD8-11-5Bにタムラ製作所のマッチングトランスTK-10(600Ω:600Ω)を収めたものである.
カラオケのマイク入力端子の入力インピーダンスは一般的に600Ωであり,PAやレコーディングで使用されるマイクの出力インピーダンスと異なるため,持ち込みマイクの音量がカラオケ専用マイクより小さくなってしまう.さらに音量が小さくなるだけでなく,音が痩せてカラオケ専用マイクの方が高性能に感じられてしまうこともある.これまでは真空管マイクプリアンプを使ってこの問題を解決していたが,マイクの性能を引き出すため,シンプルな回路を目指して,トランスによるインピーダンスマッチングを行うことにした.
主に使用しているマイクは,audio-technicaのハンドヘルドコンデンサーマイクAE5400とShureのSM-58である.両機種ともに,出力インピーダンスは150Ωである.したがって,1次150Ω:2次600Ωのマッチングトランスを必要とした.タムラのTK-10の1次巻線はセンタータップがあるので,これを利用してTK-10を150Ω:600Ωのトランスとして使用した.
今回初めて3次元CAD(Rhinoceros)を用いて図面を描き,これを元にケースの加工を行った(Fig.4).これにより,これまでより容易に高密度な実装が可能となった.
タムラのマッチングトランスの固定金具とトランス本体は突起に輪っかをはめて挟み込む形状となっているためガタがある.そのため,エアーキャップを用いて振動止めをしている.
配線は,真空管の足とユニット間の結線をイメージして,錫めっき線を用いた.
Fig.4 Rhinocerosのスクリーンショット
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